テキスタイル関連業者/原宿・千駄ヶ谷に拠点進出
2004年01月27日 (火曜日)
直販でチャンス広げる
ファッションビジネスの東京集中化に伴い、商社などの東京シフトが盛んだが、テキスタイル関連の業者も東京での拠点開設を進める。とくに大手アパレル、SPAが集中する原宿・千駄ヶ谷地区は、新たな東京産地を形成。川中事業者もQR対応とともに、情報収集の意味からも拠点作りを始めている。
情報収集にも役立つ
原宿・千駄ヶ谷地区は、大手アパレル・SPAが集積するほか、ファッション情報の宝庫である。テキスタイル関連事業者はこれまで、生地商が多い日本橋、堀留など中央区に拠点を構えていたが、ここにきて原宿・千駄ヶ谷へ進出している。問屋機能が低下し、ビジネスにおいてその機能を補完するためだ。そこからビジネスチャンスも広がってきた。
サンウェル(旧和泉繊維)は昨年7月、渋谷区神宮前1丁目の東京原宿店に常設展示場原宿ギャラリーを開設した。事務所の拡大に伴い、顧客への総合的な商品提案を行うため、180平方メートルのスペースを確保、サンプルや検索用のコンピューター端末を設置した。ファッション情報の発信基地としての機能を拡充する。
ラフォーレに隣接するこの原宿店を開設したのは00年10月。同社の東京進出は92年春に日本橋店を開設したのが始まりだが、ファッションの中心地への進出として原宿店を設けた。すでに同社の売上高に占める東京比率は5割を超え、原宿店の人員も倍増した。
エイガールズの東京(青山)進出は75年。76年に青山から墨田区に拠点を移した。生産地を重視したためだ。昨年10月、渋谷区神宮前5丁目にASPA事業部オフィス(約130平方メートル)を開設。中小繊維製造事業者自立事業の一環で、セレクトショップ向けに自主企画商品などを販売する拠点である。
展示会は2カ月に1度のペースで行い、百貨店、セレクトショップのバイヤーが訪れている。鈴木雄二専務は「7月からテレビショッピングを始める。原宿という土地に進出したことで、そうしたビジネスの話も入ってきた」と話す。
神宮前にはカケン(日本化学繊維検査協会)、丸萬商店が進出。千駄ヶ谷にはシキボウのファッション衣料部、日東紡の衣料資材事業部が拠点を構えた。
シキボウは01年、カケンは00年に進出。両社とも昨年、需要の増大に対応してスペースを倍以上に広げた。場所が近いことが、スピードを伴うビジネスでは利便性を生み、アパレルとの関係が密接化した。
このほかにも、今年度の自立化事業では直営ショップを設ける企業が44件、営業拠点を設ける企業が13件ある。こうした企業が目指すのは東京、とくにこのエリアと予想される。
川中事業者が“市場に近づく”ことで、生産・流通の効率化が一層進む。しかし、進出はあくまで手段だ。ビジネス拡大という目的を達成するためには、商品力を背景に、新しいビジネスモデルというコンテンツそのものも構築することが必要。長期的にはそれが企業体質を変える起爆剤となる可能性もある。




