三菱レイヨン・アクリル繊維/中国市場へ浸透図る
2004年01月27日 (火曜日)
三菱レイヨンのアクリル繊維事業部は、3月に上海で開かれる糸展示会、スピンエキスポに32平方メートルのブースを構え、アクリル長繊維「シルパロン」と同短繊維「ボンネル」の中国市場への浸透を図る。
「シルパロン」は03年3月の第1回展から3回連続出展となる。これまでは遼寧省など東北地方の顧客を中心に年間100~200トンを輸出していたが、出展効果も手伝い浙江省など華東地区にも需要が増えつつある。並行して原糸輸出拡大のネックになっていた糸染め工場の開拓も進んでおり、遼寧省と浙江省に3カ所を確保した。
「製品での日本持ち帰り用に加え、中国の内需、欧米再輸出用と3つの角度から中国市場での需要を開拓していく」(中野義久シルパロン部長)考えだ。
スピンエキスポに出展する堀田産業、滝善、近藤など糸コンバーターも「シルパロン」使いの加工糸を展示する予定である。
今回が初出展となる「ボンネル」は来年、寧波で原綿生産が立ち上がる。中国ではわた売りを基本にするが、その販促のためにも「インドネシアや青島の自家工場で生産している紡績糸のバリエーションを紹介する」(深田雅史アクリル繊維グループ課長)という。
高収縮、抗ピル、マイクロ、制電、発熱、吸水速乾など各種機能原綿を組み合わせて、「ボンネル」の付加価値を広く訴求する。