機能素材ファイル(15)東レ「フィールドセンサーDX」
2004年03月01日 (月曜日)
●素材……84年に吸汗速乾素材の先駆けとして、市場に上梓した「フィールドセンサー」ファミリーの頂点素材。04年春夏から一部アパレルが採用。
●特徴……肌側の吸収層と表側の拡散層を導水層でつないだ3層構造を持つ。この新素材は肌面側に新技術を採り入れた。肌面側は撥水加工糸と通常加工糸を編みこんだ素材を配置することにより肌面側の非撥水部分での集中的な吸汗である「スポット吸汗」を行う。
また肌面の吸水部(点)と表面の拡散部(面)の面積差による導水効果上昇で、従来品に比べて、肌面にとどまる汗は4分の1に抑え、表面の拡散性は約2倍、乾燥時間は3分の2という機能を実現した。製法と製品などで5件特許出願済み。
●用途……トップアスリート用、真夏の多発汗環境での用途を想定している。
●ひとこと……体力の消耗を気にするトップアスリートを意識して作った素材。技術では、染織困難な水に浮く撥水加工糸をうまく染め上げた。(テキスタイル開発センター主任部員・丹羽氏輝氏)