資料室・第1回ヤーンエキスポ/糸需要拡大を支援
2004年03月19日 (金曜日)
中国貿易促進会紡織業界分会、メッセ・フランクフルト(香港)、中国綿紡織業界協会、中国毛紡織業界協会、中国化学繊維工業協会、中国麻紡織業界協会と中国紡織情報センターの主催による第1回中国ヤーンエキスポは、3月31日~4月2日に北京の全国農業展覧館で開催される。主催側によると、ヤーンエキスポは初めての開催にもかかわらず、すでに業界で評価されている。現在までに、10カ国、120社余りの企業が展示会に参加する予定だ。
ビジネス機会を提供
糸は紡織製品の生産過程では半製品であるため、後半での織物の生産効率にかかわるほか、織物の品質、機能性、等級、外見などにも影響する。近年では中国紡織工業の発展に伴い、中国の生地とアパレルの生産レベルも大幅に高まった。しかし、同業界でも川上、川下間の交流ルートが少ない、うまく機能しない状況があり、企業の生地製品開発に障害をもたらしており、さらにアパレル企業の商品開発にも影響を与える。
糸の専門展示会の開催によって、川上、川下の企業は直接対面する機会が得られ、企業の需要をいち早く察知し、市場の状況を判断した上での商品開発が可能になる。また、糸の展示会は業界の交流を促進する。生地生産企業は糸の開発状況が分かり、糸の新製品とその機能を早く把握できるため、自社の生地製品の品種拡大、とくに機能性生地の開発に役に立つ。
業界関係者によると、中国は毎年数百万メートルの紡織品を生産しており、繊維と糸への需要は非常に大きい。国内のサプライヤーによる原材料の提供は、すでに市場の需要を満たせないため、海外のメーカーにとっては、この数十億ドルの市場の隙を狙うのに絶好のチャンスだという。ヤーンエキスポは、世界中の糸メーカーに最新の糸を展示する機会を提供する。
一方、中国は技術要素の高い糸あるいは糸の開発・利用ではまだかなり遅れている。中国は特化した方針で、とくに混紡糸、ファンシー糸および機能性繊維の開発と応用面で技術要素を高める必要がある。また、同時に新型繊維の開発と普及においても工夫しなければならない。
海外から期待
海外の展示会参加者は、ヤーンエキスポに期待を寄せている。海外の生産メーカーは少しずつ中国市場の巨大な潜在力を体験しており、輸入の紡織製品への需要はかなり大きい。中国は毎年大量の紡織生地とアパレル製品を生産するため、世界で糸と生地の輸入量が最も多い国の一つとなっている。メッセ・フランクフルト(香港)の林愛美総経理は「中国ヤーンエキスポは糸および糸業界全体をカバーしているので、生地、セーター、家庭用紡織およびインテリア用糸の業者すべてがこの展示会に参加することができる」と言う。
インド綿紡織品輸出促進会(Texprocil)は国レベルでの参加を予定しており、24社の綿糸の生産企業が出展すると予測されている。彼らは、インドの最新の綿糸、情報処理技術および業界内の動きを今回のエキスポを通じて中国に持ち込む考えだ。「紡織工業はインド経済の重要な一部であり、工業生産全体の5分の1を超え、世界の糸輸出の25%を占めている」と言う。Texprocilの執行責任者シッダルタ・ラジャゴパル氏は、「中国では糸への需要がますます拡大しているので、インドの綿糸サプライヤーと中国のバイヤーの協力関係を築くことは非常に重要だ。中国ヤーンエキスポに参加することで、インドの生産企業は自社の製品を中国でアピールし、長期的なビジネス関係を築くのが狙いだ」と話す。
情報によると、今回の展示会の展示商品は充実しているようだ。展示の内容は、「天然繊維と糸」「綿、毛、シルク、麻および人造繊維と糸」「再生および合成繊維糸」「特殊繊維と糸」「ストレッチ糸」「ファンシー糸」「システム関係のサービス」「研究検査測定サービス」などを含む。
展示会は数千社の中国北部と東北地域の紡織生地およびセーターの生産企業の来場が予想されており、会場での交流などを通じて、最新の製品技術を見学し、来年の生産仕入れの準備に構える。また、専門性のある展示会として、数多くの外国の参加企業やバイヤーの来場が予想される。
4展示会を北京で同時開催
04年春、ヤーンエキスポと同時に3つの専門展示会の開催が北京で予定されている。それはインターテキスタイル北京(中国紡織生地および付属品の展示会)、CHIC(中国アパレル・服飾品展示会)と中国ニット展。中国紡織業の4つの展示会が同時に同じ地域で開催することで、産業全体を一貫して資源を享受し、来場者に最大限の満足を与えることを期待している。十分な情報の交流は紡織産業の各段階における生産過程の短縮、顧客の需要に応える製品開発に役に立つ。また、展示会は国内外の交流を促進し、中国紡織業界が国際先進レベルに追いつくまでの時間を短縮する狙いもある。
〔紡織報〕