速報「北京アリーナ」 3展、一斉に開幕
2004年04月01日 (木曜日)
【北京3月31日=テキスタイルアリーナ取材班】北京では予定されていた「インターテキスタイル北京」「ヤーンエキスポ」「中国国際ニット博覧会」の3つの展示会が、「CHIC(中国国際服装服飾博覧会)」に続いて北京市内の各会場で一斉に幕を開けた。各展示会の会期はいずれも3日間。29日の「国際繊維経済フォーラム」をから始まった「北京テキスタイルアリーナ」はいよいよ佳境に入った。
今回の「インターテキスタイル北京」(展示面積2万5000平方メートル)には17カ国・地域から前回より10%多い525社が出展。なかでも中国企業の参加社数は320社と33%増えた。海外からは、イタリアやドイツ、日本などがナショナルパビリオンを設けて参加するなど国全体で品質の高い商品を訴求する構え。
初開催の「ヤーンエキスポ」(同約3000平方メートル)は文字通り、糸に特化した展示会。125社(うち海外からは39社)の参加で、とくにインドからは同国の綿製品輸出促進協会が主導して29社が出展。国際毛繊維機構も代表団としてまとまって展示する。中国企業は最新の合繊糸や意匠糸のほか、ミルクシルクといった独特の天然繊維を紹介する。
「ヤーンエキスポ」と同じ全国農業展覧館で開かれる「中国国際ニット博覧会」(同7000平方メートル)には106社の中国企業がセーター、カットソー、インナーウエア、手袋、ストッキングなどを集めて展示する。ウールセーターの浙江省桐郷市や海南市、ニットアパレルの広東省仏山市張槎鎮など有力産地の典型的な特色を持つ各企業が持ち味を示す内容だ。
JTEO山下委員長「世界に早く追い付こう」
【北京31日】「インターテキスタイル北京」にジャパン・パビリオン(JP)を核に出展した日本企業約28社(うち日系現地法人2社)は今回、「北京地区の商売を増やしたい」「実商売に早く結び付けたい」とそれぞれに期待を膨らませての参加となった。
JPのジャパン・クリエーション(JC)ブースには辰巳織布や木藤織物、大島毛織、前多など十数社が細番手糸使いの高密度織物、超薄手の合繊織物などのサンプルを出品。辰巳雅美・辰巳織布社長は、「4回目の出展。何とか実商売につなげたい」と力を込める。
伊藤忠商事は過去最大の64平方メートルのブースを構え
て、日本人8人(うち駐在員4人)、現地スタッフ7人の陣容で臨んでいる。「商量と販売地域の拡大に伴い人も増やした」(林史郎テキスタイル貿易課長)として、今回は北京地区の基盤拡充と上海近辺で先行するスポーツウエア用機能素材の北での拡販を目指す。
「日本の合繊の良さを知ってもらいたい」(日本化学繊維協会の担当者)と同協会は人工皮革や生分解性繊維、軽量、ストレッチ素材などをブースに並べた。各合繊メーカーがすでに取引する現地生地商がブースに顧客を連れてくるなど商売の種蒔きを継続する。
日本繊維輸出機構(JTEO)の山下雅生輸出事業推進委員会委員長は、中国の「国際繊維経済フォーラム」での大々的な主催ぶりやこの展示会での韓国のナショナル・パビリオンに触れ、「世界は先へ先へと進んでいる。日本も早く追い付くべき」と日本の発信活動に一層力を入れる考えを強調した。
昨秋の上海に続き日本貿易振興機構(ジェトロ)はJP内に4人のスタッフを張り付け、商談の通訳など側面支援に常時備えている。