資料室/好評だったヤーンエキスポ(上)

2004年04月16日 (金曜日)

 北京テキスタイルアリーナの一環で、第1回ヤーンエキスポが3月31日から4月2日まで、北京市内で開催された。

 糸は、生地の加工で生産効率に影響を与えるだけでなく、生地の品質、機能性、等級、外観なども決まってしまう。しかし、業界では現在、産業の川上、川下間の交流がスムーズでないため、川上、川下企業のそれぞれの製品開発と経営に障害をもたらしている。

 ヤーンエキスポは、バイヤーとサプライヤーの間に完全なサプライチェーンを築き、国内外の紡織業界の川上、川中、川下間の交流と貿易、合作を促進する役割を果たしたと、参加した企業は一様にエキスポを高く評価していた。

販売ルートを拡大

 中国最大級のファンシー・ヤーン・メーカー、浙江力達現代紡織有限公司の鄭祥準・副総経理は展示会の終了後、「エキスポに参加して得た成果は非常に大きい」と大きく評価した。同公司の商談担当責任者である高級エンジニアの方明氏によると、同社が展示した商品は多くの内外バイヤーの関心を集めた。展示会が終了してすぐに、多くのバイヤーが同社の杭州総部に駆けつけ、問い合わせや仕入れが殺到したという。

 方明氏は、同社のファンシー・ヤーンはタイプが新しいうえ、品質も優れていると強調しながら、特に「雪尼尓」ヤーンの生産量はすでに世界一となっており、国際的な販売ルートを開拓することは長年の願いだったと言う。しかし、これまでは国内でさえ、川上や川下間の交流がスムーズに行われなかった。まして、海外との交流はさらに限られていたため、同社の製品は東ヨーロッパ市場で一角を占める程度に過ぎなかった。

 今回のヤーンエキスポは、業界に良い交流の場を設けたと言える。多くの海外バイヤーは、同社の糸に驚きを示した。彼らは以前から、インド、ブラジル両国が糸生産における技術は素晴らしいと知っていたが、中国のファンシー・ヤーンを評価することになるとは想像もしなかったようだ。現在、エジプト、ドイツ、フランス、日本、韓国など41カ国のバイヤーが同社と商談や合作を積極的に進めているという。

 江蘇霞客環保色紡株式有限公司の唐其君経理は、社会の発展につれ、人々の環境問題の意識はますます高まっており、「当社の製品は時代の需要に適している」と指摘。環境保護の特色を十分に重視すれば、市場の潜在需要はかなり大きいと考えている。しかし、これまでは業界間の情報交流は停滞していたため、同社の製品を知るバイヤーは少なかったとしている。

国際交流を強化

 江蘇箭鹿毛紡株式有限公司は長期にわたって、輸出に取り組んできた。安定した取引先を持っているため、今回の出展目的は取引先の拡大ではないという。しかし、このような専門性のある展示会に参加することで、業界の最新動向をつかむことができるほか、現在も取引のある貿易相手に、同社のことをより熟知してもらえるため、同社の海外での地位と影響力の確立に寄与すると判断した。

〔紡織報〕