資料室・好評だったヤーンエキスポ(下)
2004年04月19日 (月曜日)
海外品とはなお格差
河北邯 聖綿紡織有限公司は、中国の繊維工業が躍進的な発展を遂げてきたことは、業界全体にとって喜ばしいことだが、それと同時に、国際的なレベルとの差も軽視できないと指摘している。
今回の展示会で、同社はインドやブラジルなど繊維強国の安価で良質な糸を目にすることができた。彼らの製品の一部は確かに同社の糸よりも優れているうえ、提示価格も妥当だという。したがって、両国のヤーンメーカーが汎用品市場で優勢なのも当然だと痛感したと発言している。
貴重な勉強の機会
桂林銀海紡織集団公司の秦桂珍・副総経理は、今回のヤーンエキスポは同社に同業他社を見習う貴重な機会を提供してくれた、と評価している。
展示会では、品質の優れた同業他社の製品を目にすることができ、そのうち多くのものが国際的なレベルに達していた。この事実は、1958年に創業し、織り編みから晒し、縫製、タオルなど、幅広く生産する大型総合企業集団である銀海集団に強い危機感を与えたと強調する。
同社は、03年だけで184点の新製品を開発し、全生産に占める新製品の比率は40%強に上った。このため、同社は新製品の研究開発で著しい成果を挙げていると自己評価していた。ところが、展示会で、もっと先を行く企業があることに気付いたと指摘する。
例えば、百隆集団は商品開発の継続性を重視し、同社のBROSブランドのファンシー・ヤーンはカラーバリエーションが豊富に揃っていた。毎年、トレンドカラーを打ち出し、現在ではトレンドカラーのほとんどをカバー、様々な需要に対応できる体制を整えていた。こうした状況は、同社に現状に満足してはいけないと、強い警鐘を鳴らしたとしている。
全国綿紡織業界50強の一つである江蘇通裕紡織集団は、優れた品質と進んだ経営、管理手法により、業界で多くの賞を授与されてきた。
しかし、展示会の期間中、同集団のスタッフは、浙江省の出展企業が敏感に市場を把握し、小ロット・多品種対応していることに驚いたという。ファンシー・ヤーンや差別化素材の活用という二つの切り口で大きな特色を発揮していることは、同社に今後の方向性を考える上で大きなヒントになったとしている。
同社が注目した同業他社としては、浙江春江軽紡集団が出展していたクールプラスと綿の混紡による吸湿速乾素材を挙げた。このほか、浙江海塩広大紡織公司が開発した非常にソフトな中空ヤーンは、軽くてふんわり感があり、優れた吸放湿性と保温性を持ち、業界で普及させる価値があると感じたという。〔紡織報〕