クラレ「フレッシュナー」開発〝シックハウス症候群〟対応
1999年06月16日 (水曜日)
クラレは十五日、新築家屋などで頭痛や目まいを起こす〝シックハウス症候群〟の原因物質とされるホルムアルデヒドを吸着するリビング用ポリエステル素材「フレッシュナー」を開発し、二十一日から販売すると発表した。
「フレシュナー」は繊維表面に固着させた含窒素化合物が空気中のホルムアルデヒドを化学的に吸着する。効果は一キロ当たり約五十ミリグラム。日本染色検査協会の試験によると、五リットルのテドラーバッグに初期濃度一四ppmのホルムアルデヒド三リトッルと十センチ四方の「フレッシュナー」を入れると、二十四時間後には〇・〇六ppmに低減し、厚生省基準〇・〇八ppm(室温二三度)を下回る。約一年間効果が持続する。
商品はカーペット用ポリエステル100%紡績糸とカーテン用同織物。ユーザー入り価格は紡績糸が一キロ五百~七百円(2毛~6番手)、織物が一メートル七百~千八百円(百~三百センチ幅)。
含窒素化合物固着は今のところ、カーペット用は紡績、カーテン用は後加工段階で行っているが、一年以内には原綿段階での固着技術を完成させる予定。どの段階でも光消臭「シャインアップ」など練り込みタイプ機能素材との併用が可能だという。
カーペット用は初年度二百トン・一億円、三年後五百トン・三億円、カーテン用はそれぞれ八万メートル・一億円、十六万メートル・二億円の販売を計画している。