クラボウ「スピンエアー」軽い綿の中空糸表現
1999年06月04日 (金曜日)
クラボウの「スピンエアー」は、クラレの水溶性ビニロン(PVA)「クラロンK-Ⅱ」を利用した綿100%の中空糸だ。 PVA繊維を芯に、綿をさやにした構造で、テキスタイルにした後で芯部を溶解する。
「K-Ⅱ」は従来のフィラメントタイプではなくステープルであるため、溶解後に綿が交絡してブリッジを作り、これが洗濯後も中空構造を支え、外部の圧力にもつぶれにくい中空糸を生む結果となった。
特性は綿にとって課題だった軽さ。綿のセーターは重いのが欠点だったが、軽量化に成功した。また、ソフトな風合いでバルキー性にも優れている。繊維空隙性が高いため水分を一〇%ほど多く吸収するなど吸水速乾性にも優れているほか秋冬では保温性も発揮する。
タオル、ニットで先行したが、綿・ウールや綿・麻などへ素材のバリエーションが広がり、番手も50単クラスへ拡大する。タオル分野ではすでに高い評価を得た。ニットは2000春夏向けでメンズ、ナイティー、ベビー用途に展開する計画だ。
また、ウールでは「スピンエアーW」を開発。軽量素材として打ち出す。