日本企業の中国戦略/伊藤忠テクスマック(下)

2004年10月28日 (木曜日)

“らしさ”追求で拡大へ

 伊藤忠テクスマックは6つの営業戦略を掲げる。順にあげると(1)汎用機種の多客先(2)特定機種の特定客先(3)中国展開の日系客先(4)伊藤忠商事繊維カンパニー取引先(5)高付加価値加工機械(6)新規分野開拓――への各対応である。

 汎用機種の多客先対応の代表格は革新織機。加工機は染色仕上げが中心となり、新規分野はプラスチックやフィルム関係を指す。対中戦略では「当社らしさを打ち出すには特定機種の特定顧客、中国展開の日系客先対応、そして繊維カンパニーとの連動がポイント」(川口正純社長)となる。

 特定機種とは化合繊機械、タオル織機、コンパクト精紡機などが中心。いずれも世界に誇る日本の繊維機械メーカー群とのコラボレーションが基本だ。また、カーシートなど自動車関連産業が対中進出を加速させる中で、そうした取り組みも今後のカギを握る。そして、山東魏橋集団、ヤンガー集団など伊藤忠繊維カンパニーが進める戦略的提携先に対して共同ワークを進めることも課題となる。

 こうした課題に対応するため、中国でも技術サービス支援体制を強化する。すでに中国市場対応で10人の技術スタッフを張り付けているほか、同社が所属する伊藤忠・産機ソリューション部門の他事業会社と共同出資で上海市に現地法人を設立、同地でのフォロー体制を拡充する。

 新会社は「日騰機械(上海)有限公司」で、05年1月1日付で設立する予定。産機ソリューション部門が一体となって中国市場でのフォロー体制を充実させるほか、現地でのビジネス促進を図るのが目的だ。

 川口社長は「伊藤忠の対中繊維機械ビジネスは60年代からの歴史がある。トレード業務を中心に、日本企業の中国進出を手助けできれば」として、技術サポートを軸としたサービスの拡充を引き続き進める考えだ。