西川リビング/日本初PLA製寝具を発売

2004年10月29日 (金曜日)

東レエコディアを中わたに

 西川リビングと東レは28日、東レのポリ乳酸(PLA)繊維「エコディア」を中わたに採用した寝具を05年2月から販売すると発表した。PLA繊維使いの寝具は日本で初めて。

 西川リビングの中村栄太郎社長は「地球環境負荷の低減を目指し、生分解性を持つエコディアを採用した」と述べ、エコディア100%中わた品のほか、現在、ポリエステル中わた使い全商品も、エコディア20%混に切り換えることも明らかにした。販売計画は初年度20万枚、30億円(小売りベース)、3年後30万枚、50億円。

 初年度のエコディア使用量は150~200トンの見通し。これは、東レの05年度エコディア販売計画の15~20%を占める。

 エコディア製中わた価格はポリエステル100%品より50%ほど高いが、西川リビングは自社のコスト削減努力で小売価格を抑えた。05春夏向けのエコディア中わた100%の肌掛け布団は1万円(税別)と、ポリエステル100%品より約4割高だが、エコディア20%混は掛け布団1万2000円(同)、肌掛け布団8000円(同)とポリエステル100%品と同程度に設定している。

 05秋冬向けではエコディア中わた100%の掛け布団を投入するほか、両社ではエコディアによる側地の開発も進める。

 西川リビングは、人と地球に優しい企画開発のため環境委員会を設けている。同委員会では環境対応の素材群を「エコロジーアース」、製品群を「エコロジークラブ」と名付けている。今回採用した東レのエコディアはエコロジーアースの認定第一号になる見込みだ。

解説/耐熱性の改善が課題

 国内でポリ乳酸(PLA)繊維を事業化するのはカネボウ合繊「ラクトロン」、クラレ「プラスターチ」、東レ「インジィオ」「エコディア」、ユニチカ「テラマック」の4社。27日、すでに撤退を決めていたカネボウ合繊が東レにラクトロン事業を売却したため、国内で繊維を事業化するのは3社になる。

 PLAはフィルムや樹脂が先行し、国内での繊維展開はまだ少ない。PLA繊維は生分解性や環境負荷が少ないなどの特徴に加え、制菌性や肌に優しい弱酸性、難燃性などの特徴を持つ。

 しかし、耐熱性が低く、染色仕上げ加工が困難で、アイロン掛けもできないなどの欠点があり、衣料用での展開は少ない。

 ただ、繊維としての商品開発は加速しており、東レではトヨタ自動車の「ラウム」「プリウス」のオプションマットに採用済みのほか、カーペットでも商品化、養生メッシュ、ロープなどで展開中。04年度には500トンの販売を見込むユニチカファイバーが繊維で土木建築資材や生活資材などに展開、26日には「テラマック」による枕、ふとん、ぬいぐるみ用詰めわたで防炎製品の認定を受けたと発表。繊維以外も含め04年度1000トンを計画する。