東洋紡/紡績は5工場・21万錘に
1999年07月05日 (月曜日)
東洋紡は国内紡績を八工場・三十七万二千錘から五工場・二十一万四千錘にするなど、紡織加工設備を今年末をメドに大幅縮小することで、需要と生産能力のギャップを解消し、二〇〇〇年度には綿紡織事業の黒字浮上を目指す。
今回の体質強化策で休止・縮小の対象になったのは伊勢・大町・庄川各工場の綿紡績(合計十五万三千九百八十錘。伊勢・大町工場は化合繊混紡含む)、入善工場の織布(百五十一台)、庄川工場の染色加工(月百万メートル)、渕崎工場のアクリル紡績(四千錘)。
綿紡績では、東南アジア品との競合が厳しい60番手以下が中心になる。
いずれも国内の需要低迷の影響を受け、前下期から操業度は五〇~六〇%にとどまっており、「操短による固定費負担が重くのしかかっていた」(金谷信専務)。設備の適正規模化により、その負担が解消されるとともに、「営業からみると海外紡織拠点や国内賃織りを活用する幅が広がる」(難波謙一郎取締役短繊維織物事業部長)メリットがあるという。残った国内紡績は80番手以上の綿細番手と複合などの特殊複合に集中し生産効率を上げる。
廃棄対象設備に関係する従業員は六工場で五百五十四人。工場内他部門への配置転換や地元での就職あっせんで雇用は保障する考えだ。
また綿紡織加工事業以外の繊維事業は、ウールが三重、楠両工場の一体運営で収益構造改善を図るほか、化合繊は衣料用ポリエステル長繊維、同短繊維、ポリノジックの三つが問題として、「市況を見極めながら対策を検討中」(金谷専務)である。