三菱レイヨンの新中期経営計画/07年繊維営益を60億円に
2004年11月24日 (水曜日)
三菱レイヨンの姥貝卓美常務繊維事業部門長ら繊維首脳は22日、東京で会見し、05年度からの新中期経営計画で、収益力の強化、アクリル事業のさらなる強化などに取り組み、最終年度の07年度には連結繊維営業利益を04年度の倍増にあたる60億円を目標とする方向であることを明らかにした。
輸出比率の高い同社の繊維事業の中で、円高や原燃料価格の高留まりなど外部環境に左右されにくい事業体をとることを急務であるとした。アクリル繊維はアジアでナンバーワンの事業体を目指し、現在建設中の中国での年産5万トンの垂直立ち上げが要求されるなどとした。中国プラントは、05年10月には商業運転を開始する予定だ。
三菱レイヨン・テキスタイルはトリアセテート「ソアロン」を核としたテキスタイル戦略を世界同時発信を視野に展開する。苦戦のポリエステル長繊維「ソルーナ」とポリプロピレン長繊維「パイレン」は抜本策を中期計画に盛り込むとともに人工スエード「グローレ」は資材用途での開拓を進め、家具や靴、自動車向けでの拡販を図るため、耐摩耗性などの機能を高める方針だ。
乾式アクリル生産終了し湿式に統合
三菱レイヨンは9月末で、乾式アクリル短繊維「ファイネル」の生産を終了したと発表した。湿式アクリル短繊維「ボンネル」で、ファイネルが持つソフトな風合を実現、代替できるめどがついたことから、ボンネルに統合し、生産性の向上を図る。
ファイネルは年産4000トン弱の規模で、緻密な繊維構造、滑らかな繊維表面、ひょうたん型(ドックボーン型)の繊維断面の特性が、特有の優しい風合いを持つ。