中国発・夢は世界へ・インターTX北京(1)意欲の温度差 解消
2005年02月28日 (月曜日)
国際的なテキスタイルの展示会「インターテキスタイル北京展」が3月30日~4月1日に中国・北京市の北京展覧館で開かれる。春は北京、秋は上海という形で定着してきた展示会だが、今回の日本国内からの出展は前回の約27社から18社(25日現在)と大きく減少した。
減少の理由としては(1)商圏の上海集中(2)華北地区へのフォロー体制の不安(3)「ジャパンパビリオン」(JP)の開設がない――などが大きな要因として挙げられる。
とくに03年秋から3回続いたJPの出展中断の影響は大きい。これまでJPによる出展には経済産業省から資金的支援を得られることもあり、出展企業・団体によって展示会に向けた意欲の温度差があったことは事実。中断に対しては「物見遊山的な出展をなくすためには必要」という声と「これからという時に、はしごを外された」と業界内でも意見は分かれるところだ。
これらのマイナス要因を踏まえた、あるいはクリアしたうえで出展を決めた企業のモチベーションは高い。「中国市場に対し、存在感を示す」(ニチメンファッション)、「出展するモノとバイヤーの志向が一致するはず」(妙中パイル織物)、「中国国内での内販体制確立を意識する」(シキボウ)、「継続したアピールを重視している」(カネボウ合繊)と出展各社のもくろみはさまざまだが、中国という巨大市場への期待は膨らむ。
さらに今年1月のクオーターフリーによって、欧米のアパレルがコストパフォーマンスに優れた縫製拠点として中国に注目していることもプラス要因といえる。
今回の北京展の期間と前後して、アパレル展のCHICと糸展のヤーンエキスポが北京市内で開かれる。これらとの相乗効果で欧米のアパレル関連のバイヤーがインターテキスタイルに訪れる可能性は高い。日本の高品質テキスタイルを欧米向けアパレルにアピールできることになる。
妙中パイル織物の妙中清剛社長は「インターテキスタイルで欧米のバイヤーを見たり、話したりすることが格段に増えた」と話し、中国を通過点とする“その先”を見越した提案が必要になってきたと指摘する。
この連載では、各社が「インターテキスタイル・北京」で何をアピールし、それを通じて何を求めるか探る。