自慢の機能素材・機能加工/クラボウ「スピンエアー」「ファノン」
2005年02月28日 (月曜日)
「スピンエアー」見かけより、ずっと軽い
クラボウの「スピンエアー」は純綿でありながら、中空糸という高度な技術を駆使して開発した素材だ。フォーカスメソッド方式(異なる素材を芯鞘構造に紡出する技術)により、クラレの「クラロンK―II」を芯にし、綿でカバーリングする二層構造糸として紡績。特殊工程によりクラロンK―IIを溶解させることで、まさに「まるで空気を紡いだような」との表現にふさわしい原糸が完成する。
特徴は軽いだけでなく、バルキー性に優れる。中空形状は洗濯など、外部の力によりつぶされにくく、ソフトな風合いを保つことができる。また、繊維間空隙が大きいため、吸水速度が速く、単位当たりの吸水量も増大する。逆に繊維間空隙で水を保持するため、洗濯などの脱水操作では容易に水を放出し乾燥性も高い。
さらに熱伝導率の低い空気層が増加するので外部に熱を逃しにくく、皮膚表面から奪われる熱量も小さく、機能性の高い素材ともいえる。
スピンエアーの発展型商材の開発も進む。バンブーレーヨン「凛竹」と組み合わせたものが「凛竹スピンエアー」だ。天然の穏やかな抗菌効果、優れた吸放湿性、ソフトな風合い、柔らかい肌触りによるしなやかさのある凛竹を掛け合わすことで、より付加価値の高い素材が誕生した。
「ファノン」心に届く、この柔らかさ
「一度触れるとその柔らかな風合いが、心に残るものを届けたい」との願いから誕生したクラボウの「ファノン」。綿のナチュラルタッチをそのまま生かした、感性豊かな特殊紡績糸だ。
無撚綿糸を芯にして、綿糸を巻きつけたシングルカバーリングヤーンの構造で、“カシミヤライクコットン”として非常に上品できれいな表情も持つ。洗濯しても硬くならないのも特徴の一つ。軽くてソフトな肌触りが持続する。
20番手中心の展開から30、40番手の生産も可能になったことで、横編みセーターだけでなく、インナー、カットソーにも用途展開の幅が広がっている。