日本企業の中国戦略/テンタック(上)
2005年04月11日 (月曜日)
培ったノウハウ中国でも
織りネーム・タグ・ワッペンなどアクセサリー・その他付属資材製造のテンタック(東京都墨田区)は94年10月、本社全額出資で上海に下げ札・シール・バーコードラベルなどの製造会社、上海天徳商標を設立した。縫製地の中国移転が進行する環境で副資材・その他付属の現地調達要請が高まっていたときだった。生産地を中国へ移していたアパレルにとっては当時、現地の副資材・その他付属は、ラベルなら印刷がずれている、汚れているなど欠点が目立ち、安心して使える代物ではなかった。
「当社は日本でも元々がメーカー。培ったノウハウを中国のモノ作りでも生かしている」と山口晴樹総経理は言う。この点は日系同業他社とも異なる。
品質の高さは当たり前、そのうえでの価格競争が避けられないこの業界では、例えば諸々の付属品1セットが10円とすると、これを9円にした時、衣料品を100万枚生産すれば一挙に100万円の経費削減につながる。日系品が10円なら現地品は5~7円。価格競争力では太刀打ちできないのが現状だ。それでも同社は生産を外部に一切委託せずに仕上げ品質の安定感を保持。その確固たる方針を堅持する。
その背景には実は日系企業の品質の高さへの見直し機運がある。
日本企業が副資材・その他付属代込みのFOBで縫製工場から商品を調達する場合、それらの副資材・その他付属を工場に丸投げする場合が圧倒的に多い。ただ、ブランドの付いた商品なら話は別。現地系の同業他社は現地の縫製工場とのつながりが強いが、こうしたブランド管理の牙城はそう簡単に切り崩せない。「アパレルの中には失敗して日系に回帰するところもある」と山口総経理。日本語の印字で、カタカナとひらがなを区別するのは中国の人にとっては難しい。必ずしも値段ありきではない市場で日系の存在感は大きい。〔上海オフィス〕




