帝人ファイバー/欧州カーテン市場開拓

2005年06月08日 (水曜日)

 帝人ファイバーのインテリアチームが、遮光性と防炎性を備えたカーテン地の欧州向け輸出を計画している。3メートルの生地幅で供給する必要があることがネックになっていたが、同幅での生産体制を整え、試作を終えた。欧州で最も厳しい防炎規制をクリアできるよう申請中。

 同生地は、難燃ポリエステル繊維「スーパーエクスター」と、遮光性を付与するための黒原着糸を使った。北陸の産元3社に委託してドビー生地に織り上げ、3メートル幅の設備を持つ工場1、2社を活用して加工した。高い防炎性を付与するために、独自のノウハウで加工している。

 欧州ではフランスの防炎規制が最も厳しいという。その中でも最高水準の防炎規制をクリアする方針だ。すでに1・5メートル幅の生地では認定を得た。3メートル幅でも認定を得るために申請を終えた。サンプルを待っている欧州企業が15社あり、認定を得次第発送する。

 小笠原重典チームリーダーによると、欧州では遮光性を高めるために裏地やラミネート加工を用いるのが一般的だった。しかし5年ほど前から、黒原着糸を織り込むことで遮光性を付与した生地への注目度が高まりつつある。

 同社は、ドイツで開かれる世界最大のインテリア関連見本市「ハイムテキスタイル」に3年前から出展しているが、その際のサンプル要求も、黒原着糸使いの生地に集中していた。黒原着糸による遮光性に、高水準の防炎性を付与することで欧州市場を開拓する。