「ベンベルグ」でウール混/クラボウ×旭化成せんい

2005年06月20日 (月曜日)

 クラボウ羊毛事業部は17日、旭化成せんいと共同でウールとキュプラ繊維「ベンベルグ」の混紡糸の開発に成功したと発表した。接触冷感がありながら吸放湿性に優れた新清涼素材として、青山商事がスーツ地に採用。全国の「洋服の青山」で「ファリアーニ」ブランドとして6万900円で販売している。

 これまで清涼スーツの大半は、裏地などの付属品や織り組織、糸の撚糸などを工夫することで通気性を向上させたもので、素材ではウール100%やウールとポリエステル混が主流だった。クラボウ羊毛事業部は “真の清涼快適スーツ素材”を開発コンセプトに旭化成せんいとの取り組みを04年3月から開始。様々な素材の組み合わせで研究を重ねた結果、上質感、適度な吸湿・撥水機能を併せ持つウールと、接触冷感や吸放湿性に優れたベンベルグとの組み合わせが最適との結論に達した。

 ベンベルグとウールの混紡糸はネップなどの糸欠点が起こりやすく難しかったが、ウールと他繊維の複合技術を駆使することで開発に成功。ベンベルグの混率は自由に設定できるものの、梳毛紡績のため「(ベンベルグ)50%混までが風合いなどから商品価値を見いだせる範囲」だという。60毛番手まで対応する。

 4月から先行して洋服の青山で同素材使いのスーツを販売。レディース、織物にも糸、生地売りで拡販を進める。とくに「接触冷感」「ムレにくい」という清涼感を持つことから、ジャージ向けへの販売を強める。