帝人ファイバー/不織布、立ち上げ順調
2005年06月20日 (月曜日)
帝人ファイバーが3月1日付で、カネボウ合繊から買収した不織布製品事業のうち、生産委託先の田島商店(山口県防府市)へ設備移管を進めていた繊維構造体・マットレス「ファイバークッション」の工事が完了。8日から本生産を開始した。17日には帝人ファイバー、田島商店の関係者のほか、松浦正人防府市長も出席し、田島商店で開所式が開かれた。
不織布製品事業の買収に伴い、帝人ファイバーは短繊維販売グループ内に、製品チームを立ち上げたが「3~5月の3カ月は順調」(薮谷典弘短繊維販売グループ長)。現状では当初計画の売上高12億円はクリアできる見通しにある。
とくに、高吸水・吸湿繊維「ベルオアシス」「ベルサニー」が予想を上回っており「事業継承を正式決定してから、既存顧客だけでなく、新規の開発案件などの問い合わせも活発化している。寝具製造卸などから関心が高い」。このため、輸入先の英TAL(テクニカル・アブソーベンツ・リミテッド)から、予定よりも前倒しで商品を手配する必要も出てきそうだ。
同社の不織布製品事業への参入は付加価値を高めることに加えて「ポリエステル短繊維だけでは情報収集、商品開発、用途拡大に限界がある」ためで、ポリエステル短繊維販売にもシナジー効果を期待する。
その一環として、4月末には、繊維が垂直方向に並ぶ特殊サーマルボンド不織布の試験設備「ストルート」を、大阪研究センター(大阪府茨木市)に導入。商品開発を行いながら、不織布メーカーとの連携を模索しながら、事業化を目指している。