日本企業の中国戦略/(株)カケン(上)
2005年07月07日 (木曜日)
確かな技術から信頼築く
海外からの衣料品輸入の増大は、日本の繊維産業の構造を大きく変えた。と同時に新たなビジネスチャンスも生んできた。財団法人日本化学繊維検査協会の検査部は84年から、この衣料品輸入の増大に対応して検品業務を行っていた。その規模が16億~17億円に成長した段階で、同事業を中止するか、分離独立させるかの選択を迫られた。結果は、10人の個人出資による独立企業を設置。株式会社カケンは98年に設立された。
「資本金1000万円でスタートした。国内は東京、一宮、大阪に検品センターがあった。その後、中国にも検品センターを設けていった」と、武智正幸社長は振り返る。
現在、中国には青島、宝山(上海市)、北京、南通と4つの検品センターを設置。「今秋には大連にも検品センターを開設する」計画だ。さらに上海の上海和協服装整理、東莞の啓堅品質検測と業務提携を行っているほか、大連、天津、威海、南通、寧波にも協力工場を有する。「中国の北から南まで統一した技術、フォーマットで検針・検品業務を行うネットワーク網を構築してきた」
検品はすべて日本市場向け。日本のアパレル、小売り、SPAなどからの受注である。「拠点の拡大は顧客の要望に応じてきたため。消費者が安心して購入できる商品を供給することが、生産者から小売業に至るすべての企業の責任」という認識のもとで、「確かな技術、信頼のカケン」を築いてきた。
小売市場では針1本でも製品に混じれば大変な問題になる。宝山検品センターだけでも毎月の検針・検品点数は約100万点。「検針はこれまで何千万点も行ってきたが、事故は一度もない」という実績が、信頼の背景にある。
縫いぐるみなどの特殊品は、東京検品センターにX線検査機を導入して金属探知。こうした機器投資のほか、84年以来のノウハウ、マニュアルが同社の強みである。
「上海だけでも競合相手は200社。検品専業者だけでなく、物流系企業、さらに商社・アパレルの自社物流による検品も始まっている」。この分野でも従来の延長線上では、中国ビジネスは厳しくなった。




