“強み”伸ばし特化/クラボウ徳島工場
2005年10月07日 (金曜日)
特殊加工専用機を増設
クラボウ徳島工場(徳島県阿南市)は、今後も中肉厚地の加工に特化する方針だ。とくに開発面を一段と強化。特殊起毛加工「ピュアセーム」が人気であることから、同加工専用機を先月増設した。
佐野高司工場長によると、現状の加工量は昨年とほぼ同じ、月間230万~240万メートル規模。国内自社生産反が4割、海外自社生産反が2割、残りが外注反を占める。加工反の用途はジーンズなどのアウターが70%、ワーキングが25%、リビング関係が5%。加工反の目付け平均は360グラム/メートルで、7~8割が中肉厚地だ。
差別化加工素材としては手に絡みつくような、なめし皮調のタッチが特徴のピュアセームが好調。今年3月、9月に同加工専用機を1台ずつ導入し、計3台で対応する。生地表面が滑らかで風合いにハリがある酵素減量加工「クレシア」もレディースジャケットなどに好評だという。
他工場との連携では、ストレッチ系の特殊糸を使った織物の加工や、中空糸「スピンエアー」の織物にピュアセームやクレシアなどの加工を組み合わせる研究開発が進展。紡績、織り、加工、縫製グループ共同での素材開発で他社との差別化を進める。
クラボウ本体の営業部門とは競合しない、工場独自の受託加工は月10万メートルほど。外注を受けることで「開発の新しいヒントを得ることもあり、生産効率を見直すきっかけにもなる」(佐野工場長)と、現状を維持する。
原燃料高もコスト削減
クラボウ徳島工場は、原燃料高に合わせて、コスト対応力を強化している。佐野工場長は「今期中には染料や薬品などトータルで前年比8%のコスト削減をする」方針だ。
原燃料高はC重油を使う徳島工場にとっても懸念材料。しかし「基本をしっかり見直すきっかけになった」と、自助努力によるコスト削減を強める。水の再利用化や、染料・薬品を無駄に使わないための制御システムの構築、準備工程での省エネ化などで、今期中に前年比8%のコスト削減に挑む。