中国物流最前線(9)総合物流サービスへ着々/カケン

2005年11月11日 (金曜日)

 カケン(本社=東京都中央区)は、検査機関である財団法人日本化学繊維検査協会で、1984年から衣料品の検品業務を行っていた部署が98年に独立して設立された。以来、国内3カ所(東京、一宮、大阪)の検品センターでの、不良品の補修加工やプレス仕上げ、アソート・配送業務にとどまらず、中国現地での検品、流通加工、縫製工場への生産管理指導から日中間の一貫物流の提供など、総合物流サービスの領域まで急速に業務を拡大している。

 同社の中国物流は、01年に田村駒、寝装寝具メーカーの無可志とともに青島無可志綜合物流有限公司(青島検品センター)を設立、現地での検品業務を開始したことから本格的に始まった。青島検品センターは、定評ある試験、検査技術を駆使した一品ごとの良品化が認められ、日系企業では6社のみが認められている山東出入境検験検疫局の認定工場になっている。

 その後、同社は顧客ニーズに合わせて現地拠点を着々と拡大している。02年には上海宝山区に上海出入境検験検疫局の認定工場になっている上海愛恩〈M&N〉倉儲有限公司(宝山検品センター)を設立、03年、北京に香河科検服装整理有限公司(北京検品センターを設立、そして今年2月には南通科検無可志綜合物流有限公司(カケン南通検品センター)が営業を開始した。とくに宝山検品センターは3万3000平方メートルの敷地に保管倉庫も持ち、中国でのストックサービスにも対応している。

 日中間の国際物流では上海に現地資格のフォワーダー、上海東菱国際貨物運輸代理有限公司を持つイーストライズトランスポートや、宝山検品センターに物流倉庫を持つヤマトロジステックスと提携、現地での検品、流通加工から日本国内の小売拠点までの一貫物流サービスを実現している。

 今年11月からは宝山検品センターで、現地日系企業として初めて「ドライパックシステム(CDP=Clean Dry Pack)」を導入する。これはスーツなどを熱乾燥によって絶乾状態で固定して特殊防湿袋に封入、体積を小さくして輸送し、最終消費地で開封することで、大気中の水分でシワが伸びて形態、形状が復元できる画期的なシステムだ。パートナーである無可志の大塩政廸社長は「積載効率の向上や再プレス工程の不要で輸送コストが軽減できるとともに、品質劣化や雑菌付着を防止できる」と、同システムの有効性をアピールする。

 すでに同社は国内外の繊維企業、450社と取引がある。武智正幸社長は「われわれの基本である安全性の保証を第一にしながら、一貫物流で川上から川下まで参画したい」と、一段のサービスの充実へ意欲をみせる。日中双方の拠点を駆使した検品、流通加工業務から、中国現地工場への生産管理指導、最新のCDPを活用した国際一貫物流まで、同社は総合物流サービスの幅を広げ続けている。

(毎週金曜日掲載)