商品研究・東洋紡フェアトーン「TOYOBOインテリアファブリックス06」
2006年06月12日 (月曜日)
東洋紡フェアトーン(以下フェアトーン)は4月1日からカーテン事業部を新設した。これまで、同じ東洋紡グループ内の東洋紡インテリアが行っていたカーテンの企画・販売・開発・縫製・物流の各機能のうち、小売りに対する卸を除いた、すべての機能を引き継ぐ。4月以降、東洋紡インテリアは小売卸販売に特化し、フェアトーンのカーテン事業部が卸売業に向け、営業・受注・縫製・物流業務を担う。
これにより「東洋紡カーテン」のブランド力を、フェアトーンが築いてきたカーペットの取引先にも拡大、販売数量の拡大とオペレーションコストの削減効果を同時に得られることになる。
これに合わせた形で更新された東洋紡のカーテン見本帳「TOYOBOインテリアファブリックス06」には企画段階からフェアトーンのスタッフが参加し、1年半の期間、収録する新製品の開発に携わってきた。
今回の更新で、収録数は約40%増の282柄618アイテムとなる。製品発表の席で越智寿夫社長は「多様化するユーザーの志向に応える見本帳」と自信を見せた。
特約チーフデザイナーの鈴木マサル氏は「インテリアは大きな変化を迎えている」と指摘。クラシック柄や花柄などオーソドックスな定番製品の人気が落ち込み、無地を中心とするニュートラル、ベーシックにトレンドが変化していると続ける。
この流れをうけ「TOYOBOインテリアファブリックス06」は、サブタイトルを「Curtain for Each Lifestyle(それぞれのライフスタイルのために)」としている。ユーザーが自分の目指すライフスタイルに合わせて選べる見本帳構成を目指した。
内容も7つのライフスタイルと3つの単品要素の強いカテゴリーに分類した。さらにユーザーがインテリアをトータルコーディネートしやすいよう、ドレープカーテンとレースカーテンを合わせて提案する「ペアレース」も充実する。
トレンドの反映という面では無地、織り柄の商品を充実させた。そのなかでもホワイト~ベージュ系のナチュラルカラーの生地を大幅に増強し、見本帳のトップに据えることで質・量ともにナチュラルカラーでの存在感を打ち出している。
一方で、東洋紡グループの素材背景を生かした機能面での差別化も大きなポイントだ。収録商品の95%以上が家庭でも洗濯可能なウオッシャブル機能を持つほか、65%以上が防炎機能を持つ。さらに要望の強い遮光暗幕を充実する一方で、遮光暗幕のネックとされていた汚れやすさを防ぐ加工も合わせて充実するなど、カーテンに求められる広範な機能に対応を進めた。
そのほか、東洋紡のサーマルリサイクルシステムへの対応や、ホルムアルデヒド、環境ホルモンの発生抑止なども付加価値として打ち出している。
フェアトーンでは「TOYOBOインテリアファブリックス06」の初年度売上高10億円(卸売りベース)を見込む。