連載・ハイテク繊維の世界(9)東レ・デュポン

1999年09月07日 (火曜日)

 世界最大のパラ系アラミド繊維メーカー、米国、欧州、日本の世界三カ所に生産拠点を構え、総生産能力は年間一万七千トンとみられる。

 「ケブラー」のブランドは一般消費者まで浸透しており、パラ系アラミド繊維のみならず、高強度、高弾性が売り物のスーパー繊維の代表格ともいえる。

 日本では東レとの合弁会社である東レ・デュポンが生産販売しており、東海工場に年産二千五百トンの設備を構えるが、パラ系アラミド繊維の主力用途であるパルプは米国からの輸入販売。自動車のブレーキパットやクラッチなどに使われるパルプはコスト競争力が重視され、大量生産が必要とされるため、米国で集中生産している。

 そのパルプの輸入販売において東レ・デュポンはデュポン本体との連携を一層、強化している。自動車部品メーカーの世界的な再編、モジュール(複合部品)化に対応するためだ。欧米の情報提供はもちろん、ニーズに応じた試作、日系メーカーの海外進出のサポートなどソフト面での強化を図り「グローバルな視点でビジネスを構築する」(高主秀一ケブラー営業部長)考えだ。

 パルプ以外は国内生産品で対応しているが、東海工場は現在フル稼働中。増設も視野に入れ始めた。「タイヤコード、ゴム補強、防護衣料、光ファイバーなど「全般的に回復基調にある」(同)上、帝人が先行していたプリント配線基板用ペーパーに使うチョップドファイバーが軌道に乗ってきたことも大きい。

 デュポンの戦略により、デュポン帝人アドバンスドペーパーへ供給することになったが、それは東レ・デュポンの技術力が認められた証しでもある。「ケブラー」は硫酸を使用しており、それを除去する技術を同社が開発したからだ。

 これまで難しかった「ケブラー」長繊維の染色加工技術も日本で開発している。そこでは東レの力も大きい。東レの産資、テキスタイルの両開発センターと連携し、次の商品開発も進めている。(つづく)