東レ 「サンドプルーフ」/遊泳水着で新開発
2006年07月04日 (火曜日)
東レは3日、婦人遊泳水着用の新素材「Sandproof(サンドプルーフ)」を発表した。同社独自のナノスケール加工技術を水着用素材に応用し砂の付着を防止する。07春夏から発売、初年度は1万メートル、3年後50万メートルを予定している。
水着に付着した砂は手で払っただけでは落ちにくく、砂が生地編みの中に入り込んで取れなくなる「砂かみ」現象も起こる。見た目もよくないため、砂付着防止素材の需要が高まっていた。
サンドプルーフは、同社のナノスケール加工技術「ナノマトリックス」を応用した素材で、短繊維の表面にナノスケールの皮膜を形成する。皮膜は砂や泥の浸透を阻止し、付着しても簡単に払い落とせる。
もうひとつの特徴に撥油性がある。浜辺に残ったサンオイルなどの油系汚れによる性能低下を防ぐ。この加工技術は洗濯耐久性にも優れ効果が持続するほか、同社の既製の水着用素材、高発色性のポリエステル原糸やフルダルナイロン原糸などにも適用可能だ。
販売価格は従来商品より2~3割高となる見込みで、販売計画(生地出荷)は初年度1億6000万円、3年度7億5000万円。同社のニット衣料・資材事業部の後藤信昭部長は「不振の婦人遊泳市場だが、アパレルと一体となって店頭で分かりやすいアピールを行い、市場を活性化させていきたい」としている。