東レ・アレルゲン抑制加工/「アレルクラッシュ」開発

2006年07月07日 (金曜日)

 東レは、東レ合繊クラスターとの技術協働により、アレルゲン抑制加工「アレルクラッシュ」を開発した。寝装・インテリア用途と衣料用に中わたや生地で展開する。初年度に寝装・インテリア用途で3億円、衣料用途で2億円の計5億円、3年後にはそれぞれ10億円と5億円の計15億円の販売を目指す。

 アレルクラッシュは、積水化学の高機能フェノール系ポリマーを添加することで、繊維表面に付着した花粉やダニの死骸などアレルゲンの機能を24時間で約80%抑制する。また、東レのアレルゲン付着抑制加工「アンチポラン」と複合することで、より高い機能を発揮する。

 日本アトピー協会から推薦品承認証マークも取得した。

 今回の加工は、東レ合繊クラスターが開発したナノスケール加工技術を応用し、従来は難しかったトウ段階での薬剤添加に成功した。これにより、短繊維への加工が可能となり、中わたなどへの展開が実現した。

 安藤敏彦短繊維事業部長は「ふとんわたは、海外品の攻勢が激しいが、今回の加工技術で対抗する。大きな期待をしている」と自信を見せている。中わたは、ふとん、まくら、クッション用途で販売し、ふとんは西川リビング、まくらはモリシタ(大阪市中央区)、クッションは公商(兵庫県西脇市)に供給する。

 また、生地はポリエステル織物だけでなく、ナイロン織物やポリエステル綿混織物、ニット素材にも適用できる。カーテンなどリビング用途と、スポーツ、婦人など衣料用途で展開するが、ふとん側地に関しては、すでに東レ合繊クラスターが同じ薬剤を用いたアレルゲン抑制加工「アレルバスター」でカーテンとふとん側地を商品化していることから、テキスタイル事業部門の安井南平部門長補佐は「側地については、やる予定はない」と断言。カーテンに関しても、アレルバスターが既製のレースカーテンであるのに対して、アレルクラッシュはオーダーのドレープカーテンで展開し、「おのずと住み分けができる」(安井部門長補佐)としている。

 今回の開発について、「『清潔』は今後、市場でキーワードになる」(安藤事業部長)、「東レ合繊クラスターと協働して、相乗効果で市場自体を拡大していく」(安井部門長補佐)と、今後の開発と販売に力を注ぐ方針だ。