染色加工特集/反転への各社の戦略

2006年07月07日 (金曜日)

フジボウテキスタイル和歌山工場/切り売り、インテリア拡大へ

 フジボウテキスタイル和歌山工場は、ニット染色と織物の捺染、浸染が主要事業。ニットでは、生地売りで苦戦しているが、賃加工でそれを補う形になっている。これは営業力の強化が奏功したことによるところが大きい。和歌山産地のニッターとの取り組みが、日々の営業活動を通じて強まっていると言う。小ロット、多品種、短納期、それぞれの対応力が評価された結果だ。

 織物はほぼ100%が賃加工。寝装を中心にしてきたが、競争が激しく、収支は悪化している。寝装需要が減退しているのに加え、海外に流出しているためだ。衣料向けは拡大しているが、寝装の落ち込み分を補完するまでには至っていない。今後は衣料分野に加え、切り売り分野やインテリア関係を拡大させる意向。

 当面の課題に製造コストの削減、新商品開発、営業力強化の3点を掲げ、それぞれにプロジェクトチームを立ち上げ、課題克服にまい進する。

東海染工/「日本でしかできない」追求

 東海染工は国内での勝ち残りに向けて商品開発力を強化、「日本でしかできない」織り、染め、加工を追求する。

 中国の染色加工場も設備は日本と同じだから機械による差別化は困難だ。複雑な工程を経たものや、加工の組み合わせに工夫を凝らすなどにより差別化を図るしかない。同社は最大で20の工程から成る染色加工を行う。また、模造品の防止という意味で「見ても、触ってもまねのできないもの」の開発に力を注ぐ。

 原油高の状況下、コスト削減は業界の命題だが、同社は木くずを燃料とするバイオマスボイラーの導入で抜本的な改革に着手する。「チームJ」による協業も進める。来年2月には、これを母体にプルミエール・ヴィジョンへの出展を計画している。さらに今枝染工の統合によってユニフォーム分野という安定事業を手に入れた。

 開発力の強化、コスト削減、協業によるモノ作りと海外進出、新規分野の強化――これらの実践により難局を乗り切る方針だ。

クラボウ徳島工場/「工場営業力」を強化

 クラボウ徳島工場は営業力の強化を重視する。クラボウ本体からの受注が大きなウエートを占めるが、最近では「工場自身による受託営業」が活発化しており、今後も強化していく方針だ。

 工場自身が営業を行い、注文を取るという取り組みは現在月産10万メートル、全体の25分の1程度の規模にすぎないが、実はこの取り組みは重要な意味を持つ。綿を主体に、麻調、ウール調など、本体との取り組みだけでは得られない貴重な情報が入手できる。川下情報が得られるのも魅力。そこで得た情報が商品開発の材料になるわけだ。

 グループとしての強みの発揮にも力を注ぐ。クラボウが持つ国内各工場との連携を強めることで、紡績、織布段階の様々な情報が得られる。この連携で得た情報を独自加工の開発に応用していく。

 品質安定力とスピードは同社最大の強み。今期もこの2点を進展させる考えで、短納期の要望にも積極的に応えていく。

大同マルタ染工/グループ会社と連携

 大同マルタ染工(京都市)はこのほど、10年以上中止していた自社展示会を昨年に引き続き2年連続で開催した。「賃加工形態だけではジリ貧」との判断からだ。昨年の展示会では商談が進み、「一定の成果を上げた」という。展示会を開催すること自体が商品開発力の強化につながる。これも展示会を開催する理由の一つに挙げる。

 同社では自主販売テキスタイルの比率が徐々に増加している。企画会社を介して東京のアパレルとの取引が増えているが、ロットが小さいことが悩みの種だ。寝装と違い、型代も出ない。独自の差別化商品を開発することで、価格の上乗せを図り、解決していく意向だ。

 展示会では、グループ会社である金江商事や東洋染色との協業から生まれた素材を多く取りそろえた。今後も親会社である東洋紡や、その関連会社とのシナジーの発揮で差別化戦略を追求する。

 近年は顧客満足度(CS)の向上に力を入れる。昨年から社内でCS運動を展開、4月にはCS部を設置し、本格的に取り組む。

大和川染工所/商品開発力背景に受注拡大

 大和川染工所(大阪府堺市)は今期、開発力の強化を背景に受注量の拡大を目指す。

 受注量は近年、減少の一途をたどっていたが、昨年あたりから回復、今期は今のところ前期比微増ペースで推移している。「受注の5本柱」、「オンリーワン・ラストワン」と名付けた2つの商品カテゴリーが好調を支える。5本柱では起毛タッチのソフトな「NY加工」、厚地の濃色染め「大和川ブラック」、さらにこれらの組み合わせが客先から高い評価を受ける。オンリーワン・ラストワンでは、綿の防炎加工「プロバン」が徐々に拡大しているという。

 商品開発を行うのは3年前に設置した「開発室」だ。専任スタッフ2人を置き、営業や工場のメンバーも臨機応変に参加する。昨年は一年間で500件もの試験加工を出した。このようなおう盛な開発意欲が同社の好調な業績を支える。

 衣料、寝装リビング、資材が3本柱だが、今後は衣料と資材を拡大させる方針だ。