明石被服興業/小郷産業と譲渡契約 新生「オゴー産業」始動

2006年09月19日 (火曜日)

 学生衣料製造卸大手の明石被服興業(岡山県倉敷市)は15日、小郷産業(同)との間で、同社の学生衣料事業を引き継いだオゴー産業の譲渡契約を結んだ。小郷産業は7月に民事再生法を申請し、明石被服興業が支援を表明していた。

 オゴー産業の資本金は1000万円で、明石被服興業が全額出資する。社長は明石被服興業の河合秀文社長が兼務し、取締役は小郷産業の小郷武史氏と山下利勝氏が就任する。新会社は小郷産業の「鳩サクラ」ブランドを継承し、10月中旬に本格的に営業を開始する。

 河合社長は「営業や生産面の指導はするが、あくまで旧小郷産業の社員で立て直すことが大切」と強調。今後はオゴー産業内に「OGO支援室」を新設し、明石被服の担当者がサポートする。

 営業面はオゴー産業が独立して行う。販売、仕入れ先ルートも「これまでの取引先を大きく変えるつもりはない」とする。一方、生産面は両社で連携をとる。小郷産業の中国の自社工場は閉鎖するが、国内の2工場は存続させる方針だ。来春商戦に向けた備蓄生産は遅れ気味だが、「明石被服興業の生産能力から考えれば、十分カバーできる」と話す。

 小郷産業の直近の売上高は24億円だったが、この間に商圏が散逸したことから、現在は6~7割程度になったとみる。「まずは来入学商戦で取引先に迷惑をかけることなく無事に終了することが第一」(河合社長)とし、「将来的に元の売上高に戻すことができれば」と語った。