あすからインターテキスタイル上海/出展2000社超え過去最大

2006年10月24日 (火曜日)

 中国最大級の国際的衣料用テキスタイル展示会「インターテキスタイル上海―アパレルファブリック」展が、あす25日から28日まで上海市浦東新区の上海新国際博覧中心で開かれる。今回の出展企業数は2023社(前回比33%増)で、展示面積8万500平方メートル(28%増)とともに同展示会では過去最大になる。海外企業は23カ国・地域から611社(8%増)が参加。世界の繊維・アパレル産業の情報収集・発信の場としての存在感を発揮する。

〔上海支局〕

日本企業は大幅減少

 中国海関総署(税関総局)の統計によると、2006年1~9月の同国繊維品輸出は1056億ドルで、1000億ドルを突破した。これは05年より2カ月も早く、通年で1500億ドルを超えそうな勢いだ。インターテキスタイル上海は、世界の工場としてだけでなく市場としても大きな成長が見込まれる中国最大の展示会だけあって、中国企業だけでなく、イタリアやドイツ、韓国、トルコなど、海外企業も無視できない存在になってきた。

 今回展は、アパレル製品の付加価値向上に重要なアイテムとして認識されてきたアクセサリー類・副資材の展示区を初めて設けた。07秋冬のトレンドを予測し、その流行に沿って展示するブースも設置した。綿や麻、毛、化学繊維、糸、編み物、織物など内容によってゾーンを区別し展示する。糸の展示会「ヤーンエキスポ」が並行して開催され、国内外の糸商、紡績70社が参加し、川中・川下との交流を深める。

 日本からは、日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催者となり、日本繊維輸出機構(JTEO)が参加機関となって“ジャパン・パビリオン(JP)”を、昨年同様ホールW2に設ける。660平方メートル・67小間の規模で、繊維関連の7団体・24社が出展。同JPとは別に、伊藤忠商事など14社が周辺にブースを設置する。

 ジェトロの報告書によると、前回は全体的な来場者数増もあり、JPの成約件数は108件、成約見込み件数が787件、成約額(見込み額を含む)が9億円強と04年に比べ大幅に増加した。しかし、今回は前回の出展企業117社・団体から大きく減少したことで、成約件数や成約額で前回以上の成果を出すのは難しそうだ。

 日本からの出展が減った背景には、政府からの補助金が今年打ち切られたことがある。さらに「インターテキスタイル上海はもはやお祭り」「サンプルを渡しても柄を盗まれてしまうだけ」との批判も聞こえる。規模が大きくなりすぎ、バイヤー以外の一般来場も多いことから、思うような商談ができなくなりつつある現状を指摘する声もある。

 一方で「継続的な出展こそが市場開拓へつながる」と、伊藤忠や丸紅、NI帝人商事、富士紡ホールディングス、サンウェル、宇仁繊維など前回に引き続き出展する企業も多い。企業認知度の向上とともに、中国内販だけでなく欧米向けの販路拡大を目指す。 

 海外全体では参加企業が増えているのと対照的に、前回よりも大きく出展企業が減ってしまった日本。各国が川上から川下まで一体となって中国市場の開拓に攻勢を掛けるなか、やや足取りが鈍ってしまった事態を懸念する声も少なくない。それだけに、日系企業個々の存在感をどれだけ際立たせることができるかが注目点になる。