インターテキスタイル上海閉幕/“質”大きく変化

2006年10月30日 (月曜日)

 【上海=於保佑輔】上海の新国際展覧中心で25日から開かれていた「インターテキスタイル上海2006」は、28日閉幕した。今回、過去最大の2000社以上が出展したが「前回よりも内容の充実した商談ができた」などの意見も多く、展示会そのものが“お祭り”と皮肉られた前回までの状況から、本来の展示会の機能を取り戻してきた。

 今回、海外から25カ国・地域が出展。うち日本を含め、イタリア、香港、台湾、ドイツ、韓国、タイの7カ国がパビリオンを形成した。より国際化が進んだ印象とともに、知的財産権の問題に取り組む姿勢を一層強化。主催側と出展者側で知的財産権の保護の協議を結んで、出展者が知財を犯していないかを証明しなければ、出展できない制度を設けた。さらに北京の知識産権弁公室と専利局を現場に招き、現場知識産権保護弁公室を設置し、現場で対応するなど展示会のレベル向上に努めた。また、インターテキスタイル出展者の8割が前回も出展しており、その意味でも展示会に対する意識の向上と、取り組み方の経験が上がってきたことで展示会の雰囲気も変わりつつあるようだ。

 日系企業も大半が前回から出展してきた企業だが、「大きな結果は出ていない」と前置きしながらも今後も出展を継続する可能性が高いことを示唆する企業が多い。宇仁繊維(大阪市中央区)は今年、中国での展示会だけでも6回出展した。宇仁龍一社長は「しつこく出展し続けなければ効果はない」と、展示会での可能性を再確認するとともに、“質”が良い方向に変わりつつあるインターテキスタイル上海に期待する。

 次回、北京で開かれる春夏展「インターテキスタイル北京」は、糸の展示会「ヤーンエキスポ」と並行して3月22~24日に開かれる。