拡大と深化・インターテキスタイル上海06(1)機能繊維に来場者殺到

2006年11月01日 (水曜日)

 アジア最大級の国際的衣料用テキスタイル展示会「インターテキスタイル上海―アパレルファブリック」(インターテキスタイル上海2006)が10月25~28日、中国国際貿易促進委員会紡織行業分会、中国紡織信息中心、メッセ・フランクフルト〈香港〉の主催により、上海新国際博覧中心で開かれた(同月25日は招待客に絞ったスペシャルバイヤーズデー)。今回展は、出展規模、来場者数ともに過去最高となった。同時に質的な充実も見られた。

(上海=合田伸一、於保佑輔)

目を見張る素材の向上

 インターテキスタイル上海2006には、前回比28%増の8万500平方メートルの展示面積に25カ国・地域から32%増の2029社(うち中国1413社)が参加。海外からの出展では、イタリア、韓国、ドイツ、ポルトガル、日本、トルコ、台湾、タイ、パキスタンの9カ国・地域が独自のパビリオンを形成した。

 使用号館は西1~5号館、東1、2号館。今回からはアパレル副資材の展示区を西5号館に新たに設置。副資材関係企業の出展数が68%増と急増した。また、糸の展示会「ヤーンエキスポ」も西5号館で並行して開かれた。

 入場者は3日目の27日午後3時の時点で4万2119人(うち中国国内から3万4427人)に上り、昨年4日間の4万5137人に並ぶ盛況となった。その実感は、出展者によってまちまちだ。どのブースも無差別に訪れて、カタログ類を何でも手に入れるというかつてのような来場者の姿勢が変化し、目的や企業を絞った訪問に移っているためと考えられる。

 今回広く指摘されるのが、中国製素材の質的な向上と多様化が急速に進んでいることだ。化繊の展示区となった西4号館では、防水透湿、吸汗速乾、導電などの機能素材や、極細糸使いによるファッション素材が多彩に展示された。

 東1号館には機能素材の展示区が設けられ、最終日まで来場者が詰め掛けた。ウールを主体とする西3号館、綿を主体とする東2号館でも、品質の向上と多様化が進み、とくに綿関係での改善の進んでいることが指摘される。

 これを受けて、中国ブースの盛況さや熱心な商談風景が見られた。