積水化学「アレルバスター」拡大/学会発表でも効果実証

2007年01月11日 (木曜日)

 積水化学工業が開発した抗アレルゲン加工剤「アレルバスター」の評価が高まっている。繊維関連でも小松精練、東レ、スミノエ、西川産業などが採用して製品化を進めた。昨年5月には、日本アレルギー学会で学会発表も行い、効果が実証されるなど、その高性能が広く認知されつつある。同社では今後、繊維関連ではインテリアや寝装用途を中心に、引き続き販売拡大を目指す。

 高機能プラスチックスカンパニー開発研究所開発戦略室の河村研一ケアマテリアルプロジェクト部長によると、アレルバスターの開発が始まったのは約5年前。当時、米国で開発されたタンニン酸を利用した防ダニ剤をヒントに、タンニン酸の弱点である水溶性や着色性を克服した薬剤としてポリビニルフェノールポリマーを開発することで実用化に成功した。その後、2003年に松下電器の空気清浄機のフィルター部材で採用されたことを皮切りに、繊維業界では小松精練がカーテンで商品化した。

 そのほか、スミノエのカーペット、西川産業のふとん・ふとんカバー「スーパーセーフティガード」などがアレルバスターブランドでそれぞれ展開するほか、東レ合繊クラスターのカーテンとふとん側地や東レの抗アレルゲン抑制加工中わた「アレルクラッシュ」でもアレルバスターが活用されている。衣料分野でも日本毛織がメンズスーツ地で、三陽商会がコートでアレルバスターを使った素材開発と製品展開を行うなど、同薬剤の採用が拡大中だ。

 同社では、東海大学健康科学部の松本秀明教授、西川産業日本睡眠科学研究所の中村勤所長とアレルバスターのダニアレルゲン低減効果に関する共同研究を行い、昨年5月に日本アレルギー学会で発表するなど、具体的なデータに基づいて効果を実証した。

 こういった高い性能は、アレルギーやアトピー患者にも好評で、06年には専門医と患者、その家族の団体である日本アトピー協会から「推薦品マーク」を取得するなど、高い信頼性を得ている。同社では「アレルバスターは、ひとつのベンチャー事業だと考えているので、いいスタートが切れた。現在も様々な分野で共同開発を進めており、さらに広げていきたい」(河村部長)と、今後も同薬剤を使った加工の市場開拓を進める方針だ。