スポーツな生活・08春夏素材動向(5)ストレッチ
2007年02月08日 (木曜日)
非ウレタン系に脚光
近年のスポーツ素材にとって、高性能なストレッチ機能は、もはや特別なものではなく、ごく当たり前の機能である。その一方で、昨年は一部メーカーがポリウレタン弾性糸(スパンデックス)から撤退し、旭化成せんい「ロイカ」、オペロンテックス「ライクラ」の2強体制確立が鮮明になるなど、ストレッチ素材を取り巻く環境には大きな変化があった。そんな中、08春夏では、スパンデックスだけでなく、非ウレタン系弾性糸の打ち出しを強化する動きが、合繊メーカーには見て取れる。
非ウレタン系弾性糸として、とくに注目が集まるのは、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維である。帝人ファイバーと旭化成せんいのジョイントベンチャーであるソロテックスは、08春夏に向けて新たに異型断面吸汗速乾タイプを投入するほか、スパンタイプも新たに開発するなど、ラインアップを拡充する。
東レは、「ライクラ」使いをベースにしながらも、昨年に続き「フィッティ」の提案にも力を入れる。こちらは、今年7月からは原料の一部がトウモロコシ由来となる「フィッティE」へ全面切り替えを予定しているが、それに向けた先行プロモーションとしても、フィッティの拡販を重視している模様だ。
もうひとつの非ウレタン系弾性糸、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維に着目したのがクラレトレーディング。07秋冬では、トライアルとして素材提案を行っていたPBT・ポリエステル複合素材「ビューフィット」を08春夏から本格展開する。
PTT、PBTに共通していえるのは、ニットだけでなく織物での展開を重視する点だ。スパンデックスとは異なり、PTTやPBTは織物展開が可能であり、その独自の風合いや質感は、すでに欧州のラグジュアリーブランドが採用するなど、高いポテンシャルを誇る。このため、例えばクラレトレーディングも、ビューフィットに関しては、得意とするニットだけでなく、織物でストレッチボトムやストレッチタフタといった用途展開を狙っている。
一方、東洋紡は独占供給するポリオレフィン系弾性繊維「DOW XLA」の打ち出しを再強化した。展示会でも特別にプレゼンテーションコーナーを設け、担当者が常駐してデモンストレーションを行う力の入れようだ。こちらは、比重が他の合繊に比べ小さいことによる軽量性や、高い耐薬品性・耐塩素性を武器に、これまでは同社のスパンデックス「エスパ」では対応できなかった用途にも積極的に導入する方針だ。
ロイカ、ライクラといったスパンデックスも、引き続き開発が加速しており、こちらの動向も併せて、今後もストレッチ素材をめぐる合繊各社の競争は、激化の様相を呈している。




